愛情のカタチ

2月になったことだし、ほとんどの選手の契約期間に合わせてw ここもそろそろ「開店休業中」を取っ払おうかと思ってたのですが、なんてこったいただいま仕事大詰め中ですorz なので、主に物理的もしくは生理的な理由(つまり常に眠いw)により、もうしばらくはこのままで。


今週末、セレッソのサポカン(だっけ?)が開かれるらしい。いや、正確にはサポカン後半戦、か。特に昨年のセレッソのありように対してやり場の無い怒りや失望をずっと抱え込んでいたサポにとっては、さすがに始動早々から選手や監督に嫌な話を聞かせるのをためらってしまう前半戦より、むしろこちらの方が本番と言ってもいいぐらいでしょう。ま、どっちにしても私は行けないのですが。もともと出かける用事を先に入れてしまってたのですが、現状だとそっちもキャンセルして休日出勤かもしれませんorz

というわけで、自分の感情・疑問を直接社長やらGMやらにぶつけることはできないのですが、まあ私ごときが考えていることなど、きっと多くのサポがより明確な形で考えておられることでしょうから、それはまぁいいです。

ですがひとつだけ、セレッソの上層部と呼べる人たちに言いたいことがあります。もし、まかり間違ってセレッソの関係者が今日のこのダイアリーを読むことがあったら、どうか彼らに伝えていただきたい、と思うぐらいに。


まずはこの映像を見てください。これは昨年の11/26、川崎フロンターレのホーム最終節の後に行われた長橋・今野・鬼木の3選手の引退セレモニー、そのオープニングです。


今でこそ「今野」と言えば札幌→FC東京今野泰幸だけど、元祖・今野と言えば磐田→川崎の今野章だったよねぇ・・・ということが言いたいのではなくてw

この引退セレモニーの話、試合があった日の翌日か翌々日ぐらいに人づてに聞いたのね。それはそれは泣ける映像だったと。どんなんだったのかなーと思いながら年を越したんだけど、昨日、セレサポの友人に会う機会があって、gdgdといろんな話をした中でそのセレモニーの話をしたんですよ。で、帰宅してからふと「川崎サポのブログとかでレポ載ってるんじゃないかなぁ」って思いついてぐぐったところ、レポどころか映像そのものがあったとw

・・・いやー、やばいね。川崎サポでもないのに泣きそうになる。ていうか、ある程度の年数以上、特定チームのサポをやってる人で、この映像に胸が詰まらない人なんているだろうか。特に「右」のくだりは本当に「くる」ね。(この曲を知らない若い人たちのために、とりあえずうたまっぷの歌詞にリンク。)こんな映像で送り出してもらえるなら、選手たちも選手冥利に尽きるってもんでしょう。


ところでこの映像、正直言ってあんまり費用かかってないよね、たぶん。必要なのは、とりあえずWin2000以上のパソコン*1が1台と、数年分の写真。一応、JASRACに支払う著作権料もいるのかなw それから、チームの歴史と選手、サポ、それぞれの思いをよく理解しているスタッフがひとり。最低限、それだけあればなんとかなるはず。たったそれだけのもので、多くのサポの心を揺り動かさずにはいられないセレモニーをつくりあげることができる。

そこで、セレッソですよ。近年のセレッソは、選手構成がはなはだいびつだったり、またやたらと大量戦力外・大量補強を繰り返している関係もあり「セレッソの選手として引退する」ケースが極めて少ない。ここ数年で、セレッソを最後に引退した選手というと、思いついたのが田坂、河野、山内、怪我に泣かされた廣長、そして昨年末に引退したヤナギ、ぐらいかな。

(もっとも、元セレッソで他所に移籍して数年プレーした後に引退した選手が、スタッフやスクールコーチとして戻ってくるケースがやたら多かったりもして、そっちに関してはむしろいいことじゃないかな、とも思ったりするわけですが、それはまぁ別の話なんで。)

例えば昨年のヤナギ。彼は、いかにも彼らしいプライドを貫いて、最終節が終わるまでは奥様であるあつこ姐さん以外の誰にも引退の決意を話してはいなかったので、私らサポも心の準備などほとんどできていなかったわけで、だからこれは全くもって仮定の話なんですが・・・もしそのことが事前にわかっていたとして、そして(どちらの結末であれ)セレッソの残留or降格の結論が最終節を前に決していたとして。

果たして今のセレッソは、そんなヤナギにふさわしい花道をつくり出せるだろうか。セレッソで数年間、第一線で頑張ってくれたベテランプレイヤーに対して、最大限のリスペクトの気持ちを持って送り出すことができるだろうか。

川崎のセレモニーの映像を見ていて、そんなことを思ったりしたわけです。



さて、セレッソの中の方々。

失ってしまったものを後から悔やんだところで、どのみち取り戻すことなんかできない。それはもう諦めるしかないと思っています。

だけど、これからセレッソを1から、いやゼロから再生していくにあたって、何よりも大切なことは「選手に心から愛されるセレッソをつくること」ではないですか?「このチームしか考えられない、このチームで引退したい」と選手に思わせるような、そんなチームでなければ、どうして強くなっていくことができますか?かつて浦和レッズを戦力外になった福田正博が、最後まで現役に未練を残しつつも結局「レッズ以外のユニホームを着てプレーすることがどうしても想像できない」と言って引退の道を選んだように。そしてそのためには、まずチームに直接携わっている人々が、チームを心から愛し、理解しなくてはならないんじゃないでしょうか。

別に、川崎の真似をして映像をつくれ、などとは言ってませんよ(ホームページを見てもわかるように、あそこのスタッフはちょっと独特な傾向があるようなので、真似しろったってできやしないw)。だけど、少なくとも昨年1年間を通じて、スタジアム内での運営やらイベントやらのひとつひとつから、セレッソに関わっている人たちのセレッソに対する愛情というものを、ほとんど感じ取ることができなかった(西川君のように、個人レベルで頑張っているなぁと思う人はいたけど。つーか、西川君だって厳密には「中の人」ではない)。試合に勝てないから、というだけでなく、むしろそういう部分の方がより大きな要因で、去年の途中からは正直言って長居に行くことがかなり辛かった。サポですらそうだったんだから、ましてそういうチームと直接接している選手や現場レベルのスタッフは本当にきつかったんじゃないかと思います。

もちろん「いやそんなことはない、我々もスタッフも、本当にセレッソを心から愛しているんだ」と反論されるかもしれない。だけどね、伝わらない感情なんて存在しないのと同じ。伝えようとする努力が実らないのは、努力の方向が決定的に間違ってるからじゃないですか?本当に努力しているならば、ですがね。


少しぐらい拙くてもいい。試行錯誤でもいい。まず、あなた方の本気の「愛」が周囲に伝わるようなチームづくりをしてください。選手やサポに「セレッソ愛」なんていう言葉を使うのは、その後の話。あなた達が本気で愛してないものを、人に対して「愛してくれ」だなんて言っていいはずがないからね。



と、ここまで言っておいて最後にこれを言うのもなんだが・・・この手の映像でBGMに「M」を使うのはあまりにも卑怯すぎるぜ川崎!(ノД`)

*1:もしくはMacOS9ぐらいでしょうか。林檎使いじゃないのでその辺はよくわからない。