リスタートの前に

もう明日は塚田セレッソの初戦なんで、その前にいい加減気持ちの区切りをつけないと、ということで。つーかいま何時だと思ってんだよ。(もうすぐ3時半です。)


サッカー的な視点で見れば、確かにリーグ戦8節を終えて1勝1分6敗ってのはやばい数字。降格制度が存在する以上、少しでも早く勝ち点を積み上げないと、時間が経てば経つほど苦しくなる。それは理解できる。

だけどね・・・ひとつには、少なくとも守備に関してはようやく落ち着きが見えてきたタイミングだったのに、いまチームをリセットするのか!?という(「ようやく山田があってきた感じだったのに」と、他サポの友人からメールが来た。やはり似たような感想を持つものらしい。)。

もうひとつ、個人的にはこちらの方がより大きな問題と認識しているんだけど、長期的視点で考えて、仮に監督という立場ではなくとも、どういう形であれ、コバさんとのつながりを切ってはいけない、と考えていたこと。例えば育成関係とかね。「おい、あれだけ若手を起用しなかった人に育成やらせるのかよ」って突っ込みが来るかもしれんけど、もともと広島や福岡では育成に携わり、成功を収めてきた人だからね。

今回の解任、そして塚田さんの監督就任でもって、短期的にはあるいは結果が出るかもしれない。勝ち点を上積みできて、早い段階で中位にまであがれるかもしれない。

しかし、長期的にはどうだろう。「育成アドバイザー」という役職に就き、ユースやスクールの育成スタッフの相談役的立場として力となってくれていた塚田さんを現場に呼び戻したということは、今後はそういうスタッフの相談役がいなくなるということ。西村GM自体も育成には定評のあった人だけど、いかんせん「GM」という立場である以上、ユースのことにばかり関わっていられない、というか、むしろトップの方が忙しすぎてそれどころじゃない。

だからこそコバさんとのつながりを切りたくはなかったのだけど、さすがに「監督は解任。でも育成やってね」とは言えないし、仕方ないといえば仕方がないのだろうけど。

・・・というか、ね。そんなこんなのあれやこれやはおいとくとしても、コバさん好きだったんだよ。私が。すごく厳格な人であるにも関わらず、どっかちょっとズレてるというか(笑)微妙に隙があるというか(笑)そういう人間味の部分が好きだった。負けたときの落ち込み具合があからさまに顔に出るとことか。しょっちゅう人の名前をいい間違えるとことか。相手チームの監督から「酔っ払うとわけわからなくなる人」とか言われちゃうとことか。ついでに言うと間違いなく「ママチャリに乗ってるのが似合う監督」ベスト3に入る人だった*1

彼の指揮するサッカーと同じように、堅実で、派手さも華やかさもないけれど、それでいてどっか共感できる部分がある、そういう人だった。そういう人だからこそ、一番華やかな場所に立たせてあげたいな、と思った。結局その願いは叶わなかったし、むしろその「叶わなかった」原因の一部は彼自身にもあるんだろうけど。

それにしても、サポがもう少しコバさんの背中を押せていたら、と思ってしまう。もともとそういう傾向はあったにしても、今年に入ってからのあまりにも消極的すぎる選手交代策は確かに気になった。選手自身も消極的な面が多々あった。「失敗してもいい、全力でやれ、俺らがバックアップしてやる!」そういう空気をつくれていれば、少しは何かが違っていただろうか。

まぁ、それは過ぎたことだけど。ともかく、コバさんに対しては、いろいろな面で「申し訳なかったなぁ」と。あくまでひとりのサポとしてですが。

せめてもの救いは、きっとコバさんは最後の最後まで、セレッソを好きでいてくれたんじゃないかなって感じられること。「そうであってほしい」という願望がそう思わせているんだろうけど、でもね。好きでなかったら、こんなコメントは出せないよ。

「大阪のさくらは今から必ず咲きます。」

できれば、もう一度あなたと一緒に花見がしたかった。それが残念ですが。

私の行ってる職場ではいま、ヤエザクラが咲き誇っています。ソメイヨシノのような可憐なはかなさはないけど、枝をしならせるほどぼってりした大きな花には、力強さと美しさがある。これからのセレッソも、そういう花を目指していくべきなんだろう。どこかの場所で(おそらくは自宅のある福岡で)その花が咲くことを見守っていてください。

つらさと、苦しさと、でもそれ以上の楽しさに満ちた1年半を過ごさせてくれて、本当にありがとう。

*1:ちなみに残り2人のうち1人は清水秀彦氏。(笑)