白いリンクのファンタジー

そういう積もり積もったイライラを一気に吹き飛ばしてくれたのが「Diamond Ice 2006」でした。いやぁ楽しかった。そして癒された・・・。

・・・何それ?って声がいま聞こえた。はいはい、ご説明しますよ。

えーと、ひとことで言えばフィギュアスケートの、それもエキシビジョンのお祭り。トリノ五輪世界フィギュア選手権に出場したトップスケーターたちから、日本フィギュア界の未来を担う有望なジュニア世代までが一同に会し、フィギュアファンへの感謝とアピールを込めて、自らのエキシビジョンを披露する、と、そんなところでよろしいでしょうか。

参加者については上のリンクをご参照のこと。ただし安藤美姫については、中京大学への入学式および関連行事に出席のため、不参加でした。(それもどうかと思うんだよね・・・いや、確かに入学式やオリエンテーションはとても大事だし、だから欠席するのもわかる。しかしだな、大学の入学式なんて少なくとも2ヶ月前には決まっとろうが。なんで当日いきなり不参加なのかと。)

一般発売日時点ではまだ女子シングルの結果は出ていなかったのですが、それでもチケット争奪戦はひたすらすさまじく、私も残念ながら一番悪いB席しか取れず(それですら「取れた!ラッキー!!」という状態だった。)演技が行われるリンクからは一番遠く離れた、見づらいところで一所懸命見るはめになったのですが、それでも本当に美しかった楽しかった!というわけで、以下折りたたんで感想なぞ。


まずジュニア世代中心の第1部。私はシニアの大会しか見ないんで、こっちの方はほとんどわからないんだけど、それでも将来有望な選手はいるね。個人的には澤田亜紀って子と武田奈也(なな)のスケーティングが気に入りました。

ひとつ残念なのが、アイスダンスの都築奈加子&宮本賢二組(こちらはシニアですよ、もちろん。)。ずっとジュニアの演技が続いているさなかでの登場だったこともあり、迫力ある、そして見る者を楽しませる構成で観客を満足させてくれたのですが・・・都築さんの方が、この日の演技を最後に競技会を引退し、育成の方に回るということでご挨拶が。うわー惜しいなぁ、もっとペアの演技見たいなって思ったとこだったのに。男性の方の宮本さんは、新しいパートナーを見つけてこれからも競技を続けていくとのことでした。

で、第1部の最後が浅田真央。さすがに知名度は抜群、あちこちから「真央ちゃーん!」という声が飛びます・・・全部子供の声で(笑)おそらくは外見的な理由で、「子供たちのアイドル」という感じ。実際、スケーティングもまだまだ未成熟ではあるんだけど*1、逆に言うとあれだけのジャンプ技術があって、さらにスケーティングの技術も上がれば、将来的にはものすごいことになるかもしれない。

第2部はシニア。怪我でまる1年以上棒に振った太田由希奈の演技が久々に見れて嬉しかった。もともと基本的なスケーティングや表現力はジュニア世代からしっかりしている選手だったし、これからに期待。高橋大輔、思い切って飛ぶジャンプが見ていて気持ちがいい。織田信成は・・・どうせなら「スーパーマリオ」の方をやってほしかった。恩田美栄、いい表情で滑れるようになったねぇ。まだまだ引退なんて早いよ、成長し続けるあなたの演技がもっと見たい。テレビではさほど感じなかったけど、生で見る中野友加里のドーナツスピン、あれは一見の価値ありあり。

そして。そしてそして。

私にとって、そしてこのイベント自体にとってもメインイベント、村主章枝荒川静香のエキシビジョン。

やっぱりね、こうしてたくさんの選手たちの演技を見た、その後で彼女達のそれを見れば、どれだけふたりが抜きん出ているかがよくわかる。だってね、他の選手は明らかに「滑ってる」んですよ。でも、ふたりだけは違う。空中浮遊して移動してるとしか思えない。(笑)まぁそのぐらいスムーズなんだよね、スケーティングが。

村主のエキシビジョン、今年のトリノ五輪世界フィギュアでもやっていた「キダム」だったんですけど、本当にこの人は、なんて美しい演技をするんだろう。「キダム」って、ほら、「シルク・ドゥ・ソレイユ」じゃないですか。村主はもちろん、競技会と同じ普通のメイクをしているんだけど、表情を見ていると、なぜかその「シルク・ドゥ・ソレイユ」の人を彷彿とさせる。ピエロのような白塗りで、表情はわからないはずなのに、なぜかどこか哀しげな、そんな印象。

荒川は・・・もう説明の必要はありませんね。みなさんご一緒に、はい「イナバウアー」!(笑)私、以前にも彼女のイナバウアーを見たはずなんだけど、そのときにも「うわー綺麗やなぁ」って思ったはずなんだけど、美しさにさらに磨きをかけたみたい。もちろん、バウアーだけじゃなくて、すべてが美しかったんだけど。特に目をひいたのはスパイラルかな。おっそろしくバランスがいいんだよね。まったくぐらつかない。それは村主もそうなんだけど、荒川の方が手足が長い分、より存在感がある。(ついでに言うと、村主の手足はフィギュアの選手とは思えないほど「細い」です。まぁ、だからこそパンツの衣装が見事に似合うんだけど。)

ともかく、このふたりだけは本当に別格としかいいようのない出来で、そりゃフィギュアファンも増えるよな、とつくづく感じましたね。実際、本当は選手に直接花束やプレゼントを渡しちゃいけないことになってたんだけど(入り口で各選手の名前入りボックスに預ける仕組み。)フィナーレの際は「そんなこと知ったこっちゃない」とばかりに何人かのファンが直接渡しに行っちゃったのね。ええ、ほとんどが村主か荒川目当てでしたよ(笑)

そうそう、フィナーレのときに各選手が「ドコモダケ」のぬいぐるみを客席に投げてたんだけど(笑)*2そのときの男子シニア4人衆の動きがちょっと面白かった。縦一列に並んで、ちょっとずつずらしながら回る・・・「zooみたいな感じ」って言えばわかりますか?(せめてEXILEとか言えよ(笑))

ところで、既にご存知の方もおいでかと思いますが、来年の世界フィギュアは東京開催。行けたら行きたいんだけど・・・チケット取れるんかな(汗)

*1:「真央はジャンプは素晴らしいが、それ以外はまだ子供のスケーティングだ」と論評したのは、「あの」アレクセイ・ヤグディンです。

*2:なぜかと言うと、特別協賛がNTTドコモ関西だったから。