東へ西へ

一方、来る人あれば去る人もあり。

既に選手本人が自らのサイトで明らかにしていたことではありますが、ヌノと久藤ちゃんの福岡行き。1歳違い、過去に同じチーム(ジュビロ)に在籍したこともあり、セレッソに移籍して来たも1年違い、そして同じポジション(ボランチ)を担当していたこともあるこのふたりが、同じタイミングで同じチームに移籍し(しかもその移籍先は、かつてセレッソがJ2降格したときの同期・・・)、その公式発表までもが同時。まぁその・・・「ものすごく縁のあるふたり」だってことなんだろうね。

本当はふたりとも、セレッソを最後のチームとしてほしかったのだけど、そうできなかったのはセレッソ側の事情の方が大きいし、もちろんふたりともまだまだスパイクを脱ぐには早すぎる。今年、対戦できるのを楽しみにしてます。

そしてもうひとり、これも既報どおりといえばどおりなんだけど、のんび緑へ帰る

のんびこと廣山に対する気持ちというのは、黒部に対するそれと近いものがある。もっとスタメンで出させてやりたかった、という気持ちもあるし、でも途中出場のときでももう少し力を見せてほしかったな、という複雑さもあり、でもやっぱり好きな選手だったのでもう1年セレッソにいてほしかった、というのもあり。ただ、黒部の場合と違って、彼の場合はレンタル元である東京Vがいま大変なことになっているので、スタメン保証をしてやれるならまだしも、またサブかもしれない状況でレンタルで繋ぎ止めとくわけにもいかなかったんだろうね。

それにしても・・・のんびのコメントを読んでいると、なんというか、その、「らしいなぁ」と。さびしいはずなのに、なんで微笑がこぼれてしまうんだろう(笑)

2005年は、完全にコバさん主導のもと「試合前日は非公開」が定着してしまっていて、なので私にとっての休日である土・日・祝はたいてい、試合前日か、当日か、翌日(練習休み)かのいずれかだったので、あまりミナツモにも行けなかったんだけど、その数少ない練習見学の際に感じてたことがありまして。

セレッソの持つフレンドリーさというか、ゆるさというか(笑)良くも悪くもマターリな空気というのは、およそどんな選手が移籍してきても染め上げてしまうことで知られていますが、実際、黒部とか宮原は明らかに「染まってた」んですよね(笑)その意味でちょっとこう・・・馴染めてなかったのが鶴見って感じはあったんですけど。あれか、笑いのとり方がわからんかったのか。きまじめなファビやストイックなブルーノまで、練習の合間には家族だんらんみたいな表情を見せることもありました。え?是は論外(笑)

そんな中でひときわ異質だったのが誰あろうのんび。なぜかというと「染まってないけど馴染んでる」(笑)なんていうんだろう、「のんびはのんび」なんだよね。セレッソ的空気ではあり得ない、のんびにしか出せないオーラをかもし出してる。でもそれが浮いてるかというと決してそんなことはなくて、むしろセレッソという風景の中で、パズルの1ピースのように自然にはまり込んでるような、そんな印象でした。

たぶん、ジェフを旅立ってからののんびって、きっとどこでもこんな感じだったんじゃないかな。そんな気がした。決して強く自分を主張することはないんだけど、風景に溶け込むようにチームの中におさまっていく。それってすごいことなのかもしれない。

だけど、のんびのいなくなったセレッソの姿を目にしたとき、ヌノや久藤ちゃんや黒部の不在といった「明らかにそれとわかる部分」とはまた別に、「あれ?なんかわかんないんだけど、でもなにか足りない」って感じてしまうような気がする。

でものんび自身は、ずっと変わらないように見えても、少しずつ変わっている。これまで滞在した土地ごとに、そこでしか手に入らない「色」を身につけているんじゃないかって思う。

だから、これから東京Vに帰るのんびは、1年前ののんびとは少し違う色をしている。違う色なんだけど、新しくなった東京Vの風景に、また何ごともなかったかのようにすんなりとおさまるんだろうね。

2006年、のんびが新たに手に入れる「色」が、どうかいままでの「色」に負けないほど美しく、魅力的でありますように。大阪の空から応援しています。