さぁ走り出そう

セレッソにとって今日の試合、単なる「天皇杯5回戦」なんてものでは済まされない重大な意味を持っていた。勝った負けたすらも問題ではない(や、もちろん勝ってほしかったんだけど)

ああいうダメージの残る終戦だったリーグ戦、その1週間後の試合で、どれだけ立ち直れているか、どれだけ前を向けるか、どれだけ戦えるか。そういう試合だった。逆に言えば、立ち直り、前を向き、戦って、その結果として敗れるのであれば、それはそれで仕方がない。一番やってはいけないのは「一週間前のダメージを引きずったまま試合に臨み、あの試合の幻影に引きずられて敗れる」こと。今週のミナツモでの練習が、あまり元気なさげ(もしくは空元気)だった選手が多いと聞いていたので、ちょっと心配していたのですが・・・




まったくの杞憂でしたね(笑)ほんまにもう、そういう試合をリーグ戦で、長居で見せてくれよと。

そういえば、今日のニッカン大阪版の記事で、こんなことが書かれていた。

「勝てばアキ(西沢)が戻ってきますから」と森島。

で、今日の1点目がモリシだったと知った瞬間「おし、この試合はもらった」と思った。そういう約束は絶対に破らない人だからね、モリシは。この1点は、そして今日の(PK以外の)全得点に絡む活躍は、モリシ自身の再スタートへの意気込みでもあり、先週の試合から今日までの間に様々な形で励ましてくれたサポへの感謝の形であり、何よりも大阪で留守番していたアキへの無言のメッセージでもある。

おれは立ち直ったぞ。ここまでのプレーができるようになったぞ。だから今度はお前が立ち上がれ。

アキはもちろん、このメッセージを正しく理解していることだろう。だって、モリシとアキの関係だもの。

5得点のあとの2失点、形だけ見るといただけないですが、BSの録画中継を見ると「あぁ、しょうがないなこれは」って思いましたね。いや、決して「絶対取れないシュート」ではなかったのですが(特に2失点目・・・あれは止めたかったね吉田・・・)なんというか、失点も覚悟で追加点を奪いに行ってる形だったのでね。もし本気で無失点で終えるためにプレーをしていたら、ああいう形はつくられなかっただろうな、と思います。

じゃあそもそも5得点も奪ったあとでまだ追加点を奪いに行く必要があったのか?という話になるわけですが、この試合限定で「それもアリ」と私は思います。それがつまり「立ち直り、前を向き、戦って」というところにつながるわけでして。多少バランスを崩してもいい、とにかく攻撃しにいくんだ、前を向き、相手ゴールに向かって攻めていくんだ、そういうプレーはそのままチームを鼓舞する効果もある。

それがわかっていたからこそ、ブルーノはあんなにも上がりまくったんだと思う。このチームの炎をもう一度、いやリーグ戦のとき以上に燃え上がらせること、それがどれほど大切なことか、先週の試合に出場できなかった彼だからこそ、理解していたんだと思う。

リーグ戦最後の3試合、リードしてからひどく萎縮していたセレッソの姿は、この試合を見る限りではどこにも見当たらなかった。だから、これでいいのだ。と私は思う。


試合後、「セレッソ大阪」コールをしてくれたそうですね、ジェフサポのみなさん。「優勝しろよ!」と言ってくれたとも。ああいう試合のあとで、相手チームへの賞賛を忘れないその気持ち、嬉しく思います。

3年前の天皇杯の準決勝で、ジェフ市原鹿島アントラーズと長居で対戦した。鹿島を破れば初の決勝進出となる試合だったが、結果は0-2の敗戦。この試合の後も、ジェフサポは「鹿島アントラーズ」コールをしていたと記憶しています。

ジェフサポのこういう姿勢、「甘い」と言われるかもしれないけど(少なくとも浦和や鹿島のサポからは)少なくとも私は好きですね。ジェフサポの友人がいるから、というわけでもありませんが、ジェフさんとはこれからもぜひ仲良くしていきたい。

・・・勝ち点たくさんくれるしね(はぁと)