そして大分戦

そうか、今年もこの季節がやってきたか。

私は基本的に

「どんな選手であろうと、セレッソのユニを着ている限りは『身内』として応援する。しかし、ひとたびよそのチームに行ってしまったからには、もちろん遠くから見守ってはいるけれど、もう『身内』とは思わない。よそのチームで頑張っている姿を見ればもちろん嬉しいけど、あくまでもセレッソというチームと、そこにいま所属している選手の方が大事」

という考え方を持っています。そういう風に割り切っておかないと、選手が移籍したり戦力外になったりするたびに、心揺れ動き、セレッソというチームに集中できなくなるような気がするもんで。

ただし、人間というのはなんでもそう簡単に割り切れるもんではなくて、私にも例外というものが存在します。例えばノさん。例えばユン。例えば眞中さん(もちろん靖夫さんの方ね)そして最大の例外が、明日の対戦相手にいる。

その名は、根本裕一


正直言って、セレッソに来た当初はまったく興味なかったんだよね。うわ、なんか白い人が来た!(笑)てなもんで。

気になりだしたのは、それこそヨシトがFWとして急成長して、しかし技術面と肉体面の成長に精神だけがついてゆけず、自らの内に共存する強さともろさの両極端さに振り回されるようになっていた頃のこと。ヨシト自身も振り回されてたけど、サポはもっと大変だったさ(苦笑)そんなヨシトにとって、年齢が近く(1歳違い)それでいてヨシトよりも精神的にははるかに安定しているネモの存在は、当時の私が思っていたよりも、ずっと大きかったかもしれない。そういえば、セレッソのみならず、U-21〜23までの年代別代表の場でも、一緒に召集されているときは、よくヨシトを気遣ってくれていたっけ。もっとも、あっちでは他にもヨシトをかまう連中が多かったから(笑)あまり目立ってはいなかったけど。

大久保嘉人は確かに才能あふれるプレイヤーだ。しかし、彼がもしセレッソに入団していなければ、森島や西澤と一緒にプレーしていなければ、これほどまでに早く成長しただろうか」

という意見を、どこかで読んだ気がするのだけど、さてどこだったっけ。思い出せないや(汗)もちろんこの意見には全面的に賛成なのだけど、あえてそこにもうひとり、ネモの名前も加えてほしいな、と思う。

あのとき、ネモがセレッソにいなかったら。ヨシトをうまくかまい、うまくなだめて、気持ちをプレーに向かわせることができていなかったら。ヨシトはいまもまだ日本にいて、相変わらず数試合に1回は出場停止になる日々を繰り返していたかもしれない。

・・・こういう書き方をすると、まるでヨシトのためにネモがいたような感じだけど(苦笑)もちろんそれだけじゃなくて、セレッソというチームにとっても、ネモの存在は大きかった。まだ若く、守備には課題が多かったけど、彼のプレーは波が極端に少なく、また体力も豊富で、U-21代表の招集から帰ってきても、ケロッとした表情で90分出場して走りまくってたこともある。W杯後は、モリシはまだしもアキやユンが体調不良に苦しめられていたし、またJ2はJ1以上に「不可解な警告・退場」が起こりやすい舞台でもあったから、こういう安定したパフォーマンスを続けられる選手は、監督としてもありがたい存在だったろう。

そしてまたセレッソでの、J2での1年は、ネモにとっても決して無駄ではなかったと思います。J2とはいえ、ほぼ1年試合に出場し続け、苦しい試合を戦い抜いたこと、その間に当時の日本代表だったモリシやアキ、韓国代表のユンなど、素晴らしい選手たちと一緒にプレーすることで、どれだけ多くのものを吸収できただろうか。

ネモがセレッソにもたらしてくれたもの。セレッソがネモにもたらしてくれたもの。どちらも確かに存在して、だからまたこうして対戦することができる。懐かしくて、とても嬉しい。

ネモ、また長居で会えるね。本当に嬉しいよ。明日の試合では、久藤ちゃんが出停明けで右サイドに復帰することがほぼ確実。ネモとの対面になるよ。色白マッチアップ(笑)今年の久藤ちゃんは、ここ数年で最高のパフォーマンスを続けているから、ネモもうかつなプレーはできないよ。覚悟しとけ。

夏以降絶好調を維持し続けて、とうとう2位のセレッソシャムスカ体制のもと、おそろしい勢い勝ち星を重ね続け、順位をあげてきたトリニータ。この3年の間で、お互い最高のチーム状態で対戦できる。それが、何よりも嬉しい。

楽しい試合にしような。いいプレーで私たちを興奮させてくれよ、ネモ。頑張れ。でもウチらが勝つよ!(笑)