守備≒攻撃

いまさらながら、日曜日のあれこれ。


嬉しかったことその1。浦和サポが本気度120%で大ブーイングかましてくれたこと(笑)

いや、もちろん「日本一」と称される浦和サポのこと、いつでもどんなときでも全力でサポートしているのだろうけど、やっぱりその時々の事情とか、雰囲気とかってのは、無意識のうちに影響してくるじゃないですか。んで、去年の長居は・・・ウチがともかくアレだったから、なんかこう、ちょっと、微妙に哀れまれているような感じで・・・もちろん声量はすごかったんだけど、「あれ、なんか去年(2003年)ほどじゃないなぁ」と思ってたんだけど。でも今年はすごかったね。すげー嬉しかった。あ、ほんまにと認定されたんだな、彼らにとって、いまのセレッソ「全力をあげてぶっ潰さなければならない相手」なんだな、と。

嬉しかったことその2。前半、たしか三都主?が倒れて治療してたとき、前田とファビ、ヤナギと吉田(だったかな)が、それぞれ自主的に話し合っていたこと。

前半立ち上がりは確かに浦和ペースっぽく見えたこの試合ですが(でもそれがいまのセレッソの試合運びでもあったりする。詳細は後述。)ある時点を境に、セレッソがペースをつかむ。ブッフバルト監督はそのタイミングを「モリシのラッキーな先制点が入ったところから」と考えているようですが、それは違う。

あのわずかなプレイ停止の時間に、セレッソの選手たちは自主的に言葉を交わし、わずかなほころびを修正していた。この時点で、浦和の選手は、さてどうだっただろうか。

ついでに言うと、モリシのゴールは確かに「ラッキー」なものではあった。けど、「偶然」ではない。

是の蹴ったクロスが浦和のDFに跳ね返って大きくバウンドしたのは偶然だった。が、そのクロスが打たれる瞬間、まさに「ここしかない!」という絶妙なタイミングで、モリシはDFの間をするりと抜け出している。一瞬早ければオフサイドだし、遅ければもう間に合わない(クロスが誰にも当たることなく、通常の弾道を描いていればの話ですが)

つまり、あのときモリシがあの絶好のポジションでヘディングループを打てたことは、これはもう「必然」。

・・・ただしそのシュートがちゃんと都築の上を越えてゴールマウスに入ったことは、偶然どころかむしろきせk(ry

そんなモリシのゴール直後の姿をニッカン大阪版毎日新聞J公式より。いずれ劣らぬ、狙って撮ったとしか思えない写真(笑)しかしイイ表情だ・・・(*´∀`)

この場面の他にも何度か浦和DFラインの裏を突く動きがあって、まぁそれは都築の神セーブとか坪井の壁とか、あと「狙ったわけではないオフサイド」(by解説の福田正博氏)があって、1得点どまりだったのですが、正直いって浦和の守備は、他サポの私から見ても「これ・・・やばいやろ・・・」とはっきりわかるものだった。福田さんは、他にも「パスの出し手」であるファビや久藤に対するプレスがまったくといっていいほどかかっていないことを指摘してましたね。スコアだけでなく、試合内容も完全にリードしていた前半。




さすがに浦和も反省してか、後半はDFの裏のスペースを意識するようになる。というか、ラインを下げ始める。が、そこへファビのミドルがずどん。

これでパニックになったか、守備の連携自体がぐちゃぐちゃになったところで、駄目押しの3点目。この場面、滑り込みながらのシュートを1度は弾かれながらも、続くアキのミドルをも都築が弾いたと見るや、猛然と立ち上がってダイビングヘッドした古橋の執念の素晴らしいこと。と同時にその最初のシュートにつなげたアキのドリブル突破のすさまじさ。映像で見ると、浦和の選手が4人ついてるんよね・・・(汗)

ここで、欲張って4点目5点目を奪いに行く采配ももちろんあり。けど、コバさんはそうはしなかった。主審の判定にイラつきを見せていた(そして既にイエローを1枚もらっている)アキとモリシを同時に下げる余裕を見せる。

セレッソが、得失点差だとか総得点を意識しないといけない立場なら、もっと得点に対して貪欲になるべきでしょう。しかし、最新の順位表を見ていただければおわかりのとおり、セレッソはそういうことを意識しても仕方がない立場なのですよ。なんたって、似たような勝ち点のチームと比較すると、得失点差が圧倒的に低いorz ということは、あるチームより上の順位に立とうと思えば、常に勝ち点で上回らなければならない、てなわけで。この試合での勝ち点3は確保したから、次の試合の勝ち点3を取るために、よけいな退場者は出したくなかった、というところではないでしょうか。

あと、いくらこの試合での守備がダメダメでも、そこはやはり浦和が相手ですから、欲をかいたところで逆襲を食らうと危ない、という、つまりは浦和の底力を恐れていた一面もあるのかな・・・という。

ただ、その後ファビがやや足を痛めたらしいのを見て(さらに言うとファビも既にイエローをもらっているし)徳重を投入し、布陣を変更するものの、変更後のマークのつき方があいまいなうちにマリッチにゴールを許してしまった。ここはおおいに反省すべきところですね。交代直後こそ、もっとも気をつけなければいけないのだから。

そして思い出したくもないあのファウル・・・現場で見たときにも「うわ、えぐいなぁ」と思ってたのですが、後で映像で見ると・・・主審!このプレーを一発退場にせんで、何を一発退場にするんや!!(激怒)下村、長いことピッチに戻れず、戻った後も少しボールを触っただけですぐ「あ、これはダメだ」と見ている私にさえわかるような状態。なのに下村、なかなか下がろうとしない・・・(泣)ほとんど走ることもできず、邪魔にならないよう最前線あたりのタッチライン際で立っていることしかできないのに、監督が「下がれ」と合図しているのに、それでも下がろうとしない・・・(泣)もういいよ、それより早くドクターに診てもらえ!とどれだけ叫びたかったことか。結局、下村がピッチを出たのは、ロスタイムに入ってからでした。

全治6週間・・・チームにとって痛いのはもちろんのことだけど、何より本人がいちばん悔しいだろうな、と思うと・・・つД`)

ただ、下村がプレーできないと気づいた時点から、古橋だけでなく宮原までもが自ら下がって下村の穴を埋めたおかげで、実質10人での逃げ切りに成功。ここら辺も冒頭の場面と同様、選手たちが自ら話し合い、あるいは判断して穴を塞ぐ。そういう試合運びができるようになったことは、素直に賞賛したいところです。




上でも少し触れた、浦和の守備についてですが。

思うに「1トップ2シャドーに対して3バックがマンマークで挑む」というのは、やはり無理があると思うのですよ。しかもこの攻撃の3人、なんぼでもポジションチェンジするし、あろうことか、場合によっては1トップのはずの人まで最終ラインまで下がってプレスに参加してたりすることもあるぐらいだからね。

一方のセレッソは、もちろん田中達也のドリブル突破には何度も冷や汗をかかされたものの、決定的な仕事はほとんどさせずじまい。これは、達也ではなく、達也にボールを配給するポイント・・・つまり、ポンテ、三都主、山田、長谷部、このあたりに対して早い段階でプレスをかけ、達也にボールが渡るよりも前に奪ってしまう。もしそれでも前線にボールが渡ってしまったら、無理に1対1で勝負するのではなく、コースを切りながら他の選手のフォローを待ち、サイドに、あるいはゴールラインまで追い込んでいく(もちろん「他の選手」は素早くフォローする)こういう、単純ですがしかし有効な戦術で、浦和の攻撃力を半減させていた。




で、もうひとつ触れておかなければならないのが、ここ「りんでんばうむ」では何度も取り上げている「超攻撃的守備」。この日も、ボール保持者が少しでも甘いパスを出そうもんなら、あるいはドリブルのとき少しコントロールをミスした瞬間、さくっとボールを奪い、即攻撃に転じる。このプレーが冴え渡っていました。

浦和サポさんの中には、どうも「ウチのチームは引いて守る戦術に弱い」と思っておいでの方が少なからずおられるようです。それは確かに真実なのかもしれない。が、そもそも今年のセレッソ引いて守る戦術ではない。引いて攻める戦術なのですよ。

セレッソの守備ラインが深いのは、ゴール前を固めるためではなく、網の中に獲物を誘い込むため。そしてインターセプトしたその瞬間に、ボール保持者が攻撃方向(敵側ゴール)を向くことができるように。

もちろん、その位置でボールを取れるということは、プレスに参加していた前線の選手も深い位置まで下がっていることを意味するわけで、ボールが取れたから即ゴール前に持っていけるとは限らない。しかし、今年のセレッソは、左に長い距離を何度も往復することができる是がおり、右には前線選手とのワンツーパスによるチャンスメイクを得意とする久藤がいる。そして何より、ボールをおさめさせたらいまだに日本屈指のポストプレイヤーである西澤明訓がいる。

こうしてみると、コバさんは実に「理に叶った」チームづくりをしてきたんだなぁ、とつくづく思う。昨年のセレッソと今年のセレッソ、比較すると天と地ほどの差があるけど(正確には「地と天」だね)いまのセレッソがあるためには、「コバさんがチームの現有戦力を正しく分析する」という意味において、昨年の半年間がとても大きな意味を持っているんだろうね。




閑話休題。嬉しかったことその3。今週の「巧」を当てた(笑)

当てたっていうか「巻だったらいいなぁ、あのプレーはすごかったし。でも引き分けだからなぁ、どうだろうなぁ」と言ってたんですよ。