その背番号の意味

で、ジャカジャカにモリシとヌノが出たということは、つまりこういうことなわけでして(笑)遅めに行ったんで「サッカーサイズ」には間に合わなかったんですけど、ハーフタイムのロビーエクササイズをガチャムクが踊ってくれただけでも大満足でした。あ、あとウォーミングアップのときのハイタッチにも参加してくれてたね。モリシよりデカいガチャムク・・・いやこの場合はもちろんモリシがちっs(ry

閑話休題。試合の方なんですが・・・とりあえず、中山悟志が名古屋に移籍したと聞いたときに、すげー嫌な予感がしたんですよ・・・やつはなぜセレッソ戦に限ってゴールするのか(苦笑)好きな選手なんだけど、ちょっとだけ嫌いになってもいいですか。

ま、それはいい。最小失点の守備陣を責めるのはお門違いってもんだ。では、攻撃陣の方はどうか。アキのぎっくり腰は想定外のアクシデント。これはもう仕方がない。が、しかし、問題はその後だ。

サッカーとは、勝利に向けてもっとも適切な準備を行い、もっとも正しく努力したチームが勝つ。・・・いや、これは◎さんが勝手にそう思っているだけのことですが(笑)

「勝利に向けての適切な準備」とは、もちろん得点すること。「失点しないこと」も同じくらい大事だけど、そもそも野球のように攻撃と守備が明確に分断されているスポーツを除けば、守備とは常に攻撃の第一歩目であるはず。例えば、アメフトにおけるインターセプトとか、バレーボールにおけるサーブレシーブのように。

で。今日の試合を思い返すに、「得点するための正しい努力」をしていなかった、もしくは怠っていたものがいる。確実にひとりはいる。ひょっとするとふたり、3人いるかもしれないけど。

決して彼のせいで勝てなかったわけではない。彼がピッチに入る前にも、入ってからも、彼とは関係のない場面で本当に紙一重の惜しい場面もたくさんあったし、そもそも古橋がゴールしたのも彼がピッチに投入された後の話だ。だから、「彼のせいでゴールが奪えなかった」なんて見当違いの批判をするつもりはない。けど、彼とボールとの関係を見るにつけ、なんか怒りがこみ上げてきたのも事実。

古橋は名古屋のDFとボールを奪い合ってファウルを受けた。前田は相手の19番に何度も抜かれながらも、その都度追いつき返してボールをカットしたりシュートコースを切ったりしていた。是でさえ(笑)いつもならガタンと体力の落ちる終盤になってもなお足を止めずに決定的チャンスをつくり続けた。

久藤ちゃんにいたっては、自分のパスが甘くて奪われたボールを無理から奪い返そうとしてファウルを受けていた(まぁ、ある意味「自作自演」ではある(苦笑))眞中さんが乗り移ったんじゃないかと思うぐらいにしつこくボールを追っかけて名古屋DFに食らいつき、奪う。パスを受ければ中央に切り込み、モリシや古橋めがけてスルーパスを狙う。残り5分ぐらいのところで、一度足がつったらしくピッチの隅っこにうずくまるぐらいで、でもそのときにはもう交代枠を使い切ってしまっていたので、動かない足を無理に引きずってでも走るしかなかった。久藤ちゃんがセレッソに来てからもうすぐ5年、少なくとも私が見てきた中では最高といってもいいパフォーマンスを見せていた。「勝つ」という気持ちがそれほどまでに強かったということの、現われだと思う。

彼は、どうだろう。「ゴールしたい」という意志は見えた。それは否定しない。けど、「勝ちたい」という気持ちが最後まで見えなかったのは、私の思い込みだろうか。

確かに、ここ数年のモリシといい、清水戦やガンバ戦の古橋のように、得点するべきときに得点していない、シュートをきちんと打てていない選手はいる(古橋は今日はゴールしたけど、あれは本人も認める「シュータリング」だから(笑))けど、モリシも古橋も、上の方で書いた「攻撃の第一歩目としての守備」に全力を尽くしている。当たり前のことながら、まずボールを自分たちのものにしない限りは、チャンスなど生まれるはずがないからだ。

彼には、その意識が見えない。彼が欲しがっているのはあくまで「シュートを打つためのボール」であって、「チームを勝利に導くためのボール」ではないのだろうか。

昨年、このチームにはひとりのエースストライカーがいた。ヤツは・・・ひとことで言うと「アホ」だった(笑)その点についてはいまさら弁解のしようがない。けど、誰よりも「勝ちたい」と思っていた。チームが勝ちさえすれば、自分がまったく関係していないゴールであっても、まるで自分の手柄であるかのように大喜びしていた。チームが苦しんでいるとき、うつむき、足が止まりがちなチームメイトを、言葉で、表情で、何よりプレーそのもので鼓舞し続けた。だから、サポーターの誰もがあの「やんちゃ坊主」を愛した。私たちが望むものを与えてくれ、時には他の選手たちに対して訴えかけたいことを、ピッチ上で実現してくれる存在だった。

そして昨年末、セレッソJ1残留というミッションをやり遂げた「やんちゃ坊主」は、今度は遠い異国の地に渡った。あちらでは負傷やコミュニケーションの問題からずいぶん苦労したようだけど、それでも最後にはその持ち前の負けん気と意志の強さで、もう一度「奇跡の残留」をやってのけた。

今年、セレッソで彼がつけている背番号は、その「やんちゃ坊主」がつけていたのと同じだ。もちろん、選手としても、またキャラ的にも、ふたりは全然似ていない(つーか、あんな「アホ」がふたりもいてたまるか(笑))けど、いや、だからこそ、いまの「彼」には、あの背番号をつけてもらいたくない。

そう考えてしまう私は、偏狭な人間なんだろうか。