人はなぜ森島ワッショイするのか

昨日も少し話題に出した「Fractal World!」のはくらさん、以前からサイトをブックマークしていたのですが、最近ブログデビューされて、リンクが張りやすくなりました(笑)

で、そのはくらさんのPSMレポより。

この辺りを見てた時に周りの子供たちから「あのハゲ速えーっ!」って声が(笑)
は、はげって..も、もしかしてモリシの事?いやまあ、速いし神出鬼没だけど
は、はげは止めてー!

この話、試合後にはじめてお会いしたときにも聞いたわけなんですけど・・・ちょっと桃スタの裏まで来いや、このクソガk(ry

それは半分冗談なんで(え?じゃああと半分は??)さておくとして、この話って実はこの日のセレッソ如実にあらわしてるよなぁ、ということに家に帰ってから気づいたわけで。

セレサポなら誰もがご存知のことかと思いますが、はっきり言ってモリシは足が速いわけではない。そりゃ遅いとまでは言わんけど、俊足でならしてるわけじゃない*1

ヨシトも速い速いと言われる割には50m走のタイムは平凡なんだけど、ヤツの場合は最初の15m、もっと言えば最初の3歩がめちゃめちゃ速いから、一瞬にしてDFを置き去りにしてしまえる。そして15mもフリーで走れれば、前線にいたFWがペナルティエリア内に侵入し、シュート体勢に持ち込める。それがヨシトの凄味。

だけどモリシにはその「初速のスピード」も大してあるわけではない。ではなぜ、そんなモリシが子供たちをして「速えーっ!」と言わしめたのか。

それはすなわち、モリシがピッチから「消えていた」からに他ならない。さっきまでいなかったはずの人が突然姿を現したから「一瞬にして飛び込んできた」ように見えるわけです。

そう、これが、これこそがモリシのスタイル。

体格に恵まれず、俊足というわけでもなく、しかもシュート技術が高いとはあまり言えない(苦笑)選手が、なぜ日本を代表するトップ下になれたのか。それは、敵の視界から消えることによって、フリーでボールを受けることができる、そういう状況をつくり出せていたからに他ならない(もちろん、モリシひとりではなく、チーム全体の戦術によるところが大きいけど)

思えば、昨年のモリシはよくも悪くも「目立って」いた。その豊富な運動量で守備に奔走する姿は、これまでのモリシを知るサポからすれば、ありがたく、また歯がゆくもあった。違う、モリシにしてもらいたいプレーはそれじゃない。でもモリシ以外にそのプレーをできる人間は、いまのピッチ上にはいない・・・。それが2004年のモリシでした。




ひるがえって、先日のPSM。モリシはしばしば、私たちの視界から「消えて」いた。ゴール前に飛び込んできたとき(そしてシュートを外したとき(笑))あるいは逆に自陣最後列でボールをカットしてくれたとき、思わず「いつの間にそこに!?」と、何度も叫んだものです。スタンドからピッチを見下ろしているモリシヲタですらこれだから(笑)ピッチ上で守っている広島守備陣にとっては、なんともやっかいな存在だったに違いない。

さらに、あっモリシがいた!と思ったら、今度は古橋がいない(爆)いないと思ったらゴール前でシュート打ってる。

以前、「絶好調時のモリシがいると、ピッチ上にセレッソの選手が12人いるような気がする」などという話を同居人(実兄)としたものだが、この日の桃スタには、どうやらセレッソの選手が13人(モリシ×2、古橋×2)いたらしい(笑)そりゃ迫力あって当然だわ。

こういう試合を、こういうサッカーを私は見たかったんだ。改めてそう思う。




ところで、モリシの特異性を理解するようになると、「なぜアキとモリシのコンビネーションにあれほど興奮させられるか」ということも少し見えてくる。ピッチ上からしばしば「消える」モリシ。もちろん敵の視界から消えるときにはチャンスなわけですが、だからといって味方の視界からも「消えて」しまったら、それはそれで困る(笑)

アキは、「使われる側」にも「使う側」にもなれるという稀有の才能を持ったFWであるアキの目には、彼をうまく使い、またうまく使われてくれる存在、最高のパートナーであるモリシが常に「見えて」いる。時に敵からも味方からも姿を隠してしまう小兵の影を、アキだけはいつも正確にとらえている。

だから、たまらなくワクワクするんだろう。ボールを受けたアキが、誰もいないスペースにボールを落としたその瞬間、まるでアキが唱えた召喚呪文によって中空から突然姿を現したかのように、そのスペースに飛び込んでくるモリシの姿に。

(誤解のないように言っておくと、モリシ「だけ」がアキの目に見えているわけではない。たとえば去年の磐田戦@長居でのヨシトのゴールをアシストしたときみたく、アキには常に「チャンスになるスペース」の存在を意識することができていて、そこにボールを落とせば必ず誰かがシュートを打ってくれるはず、と期待しているんだと思う。ただ、ヨシトよりも古橋よりも徳さんよりも、モリシと一緒にプレーしてきた時間が長かった分、より特別に互いの動きを理解し合うことができる・・・そういう関係なんだろう。きっと。)

(そしてアキとモリシのコンビを見ていて嬉しくなるのは、プレー以外の部分によるところも少なからずあるってことは、いまさら否定しないけど(謎))

直球すぎる子供の言葉に、改めてモリシの魅力について気づかされた、というお話。だけど言うに事欠いて「はげ」言うなゴルァ!(笑泣)




さて2005年、私はどれだけモリシのプレーにわくわくすることができるんだろう。早く来い来い開幕日(笑)

*1:インターバル走にはやたらめったら強いけどね。さすが運動量の鬼。