そんな姿が見たかったわけじゃない

脳裏にこびりついて離れない記憶ができてしまった。

例えば、スクリーンに映っていたアキ。挨拶を途中でやめてしまった監督に対するスタジアム中が揺らぐようなブーイングの中で(いや、ブーイングはその前からすさまじかったけど)サポーターに挨拶させようとするスタッフと、それを頑ななまでに拒み続けたアキの表情。

結局セレモニーを中止して退場する選手達の中、かなり心残りな様子で一番最後に退場していったヌノさんの背中。

サポーターをなだめるためだろう、なぜか引っ張り出されたヨシトに上がる歓声。

再度他の選手たちとともに出てきて、ゴール裏の前で深々と頭を下げていたアキの姿。

さらにもう一度ひとりで出てきてゴール裏に頭を下げた後、SBの方に向かって手を合わせ、頭を下げ続けたモリシ。

選手たちにこんなことをさせたかったわけじゃない。少なくとも私は、モリシやアキにこんな形で謝ってほしかったわけじゃない。彼らはプレーによって償うことができる立場にあるのだから。

それでも、ヨシトやアキやモリシはまだいい。「それも給料のうち」と言えなくもない(笑)特にヨシトは、これで3ステージ連続でホーム最終節に出てないんだから・・・。

しかし、最後に盧さんまで出てきてサポに挨拶してくれた時は言葉を失った。ごめんなさい、とか、すみませんとか、申し訳ない、とか、とにかくありとあらゆる言葉で盧さんに謝りたかった。理不尽な形で解雇された後も、最後の最後までセレッソを気に掛けてくれていた盧さん。2年前、アビスパとの最後の対戦(この試合にセレッソが勝ったことにより、その年のアビスパのJ1昇格が数字の上でも完全に消滅した)の後、モリシに「絶対J1に上がれよ!」と声をかけてくれた盧さん。

たぶん盧さんのことだから、誰に言われるまでもなく出てきてくれたんだろうな、と思う。「僕が出た方がおさまるのなら、そうするよ」なんてことを言いながら。ただもう、本当に申し訳なくて、そしてありがたくて頭が下がる。

で、本当に出てくるべき人、サポに向かって真っ先に頭を下げなければいけない人はついに出てこなかった。

赤紙運動、サポティスタに晒されたおかげかどうかはわかりませんが(笑)思いの外多くの方が参加してくださってましたね。事情があって私はSBの集合場所での参加はできなかったのですが、私がいた席の周辺でもかなりの方が紙を用意してきていた。中には監督の顔写真を貼り付けてさらにその上から×印をつけるという凝ったものを用意してきてた人も(笑)特に、監督の挨拶の時はものすごい数の赤紙が一斉に掲げられて、一瞬「うわ、すげーなぁ」なんて見入ってしまって、はっと我に返って慌てて紙を出したりとか。

結果的にはサポティスタが言うような「静かな抗議」ではなかった。しかし、あれだけ殺伐とした雰囲気になっても、最終的にひとりの怪我人も警察のお世話になる人も出なかったのは、逆にああいう行動を事前に決めておいたからこそなのかもしれない、というのは・・・深く関わった者としての勝手な言いぐさかもしれませんが。

サポスレのみなさん、本当にお疲れさまでした。もう少し気持ちが落ち着いたら、改めてご挨拶に伺います。また、今日長居に来れる来れないに関わらず、バナーによる告知活動をお手伝いいただきました多くのサイト関係者様、こちらにつきましては文章まとめ役としてお礼を申し上げます。ありがとうございました。中にはガンバサポさんやサンフサポさんまで。心配されてるんだねぇ・・・(涙)

今回、こういう運動を行ったことは決して間違いではないと思います。おとなしいと思われがちなSBのサポがここまではっきりと目に見える「行動」を起こしたことは、決して無駄ではないでしょう。

ただ、サポの「いちがん」をこんな形で実現させたくはなかった・・・それが一番情けない。

願わくば、モリシやアキがあんな悲しそうな表情でサポーターの前に姿を見せるのは、今日で最後でありますように。あんな表情をさせた張本人が、一刻も早くとるべき責任をとってくれますように。