永遠のファイター

「スタジアムがもったいない」

 蔚山(ウルサン)の盧廷潤(ノ・ジョンユン)が苦言を呈した。盧廷潤は6日、城南(ソンナム)戦を控えKリーグ全般に対する自身の考えを明らかにした。盧廷潤は「欧州をうらやましく感じないほどのすばらしいスタジアムに1万名ほどの観衆はひどいと思う。胸が痛い」と語った。

あぁ・・・この人も本当に変わらないな(苦笑)去年、セレッソのファン感にゲスト出演してくださいましたが、お元気そうで何よりです。

マーケティングの話になると彼の声は1オクターブほど高くなった。

地声ですらアレなのに、そっから1オクターブって!(笑)

と、そんな冗談はさておき。サンフ時代のことはあまり詳しく知らないけど(ノさんがサンフにいた頃は、私はJリーグをあまり見ていなかったので)セレッソでも、アビスパでも、誰よりも熱く、強く、激しく、ひたすらチームの勝利のために全力を尽くす人でした。

だけど、チームを誰よりも愛するがゆえに、その熱さ強さ激しさの矛先は時としてフロントにも向いてしまう。そして、残留争いや昇格争いでいっぱいいっぱいになっているフロントにとって、彼の手厳しい意見はたいてい耳が痛いもので、やがてわずらわしくさえ思えてくる。フロントから煙たがられる外国人選手の行く末は、ひとつしかない。

かくして、サポからは熱烈な支持を受けながらも、ノさんは2度までも志半ばでチームを去らなければならなかった。誰よりも悔しく、悲しかったのはノさんだろうな。と、いまでこそ冷静に振り返ることができますが、01年当時、関空までノさんを見送りに行って泣きじゃくったときの私はとてもそんな気持ちにはなれなくて、ただもうノさんを切った副島監督とフロントが許せなくて、こんなチームとっととJ2に落ちてしまえなどと思っていたりもした。いま考えると恐ろしいことだね(苦笑)

(その後、副島監督への不信感は、翌年監督に就任したサガン鳥栖での活躍でそれなりに拭えましたが、フロントへの不信感はずいぶん長く続きました。)

そして、このときの経験から「どんなにサポが応援し、支持している選手でも、チームの都合によっては解雇せざるを得ない場合は存在する。それはもうどうしようもないことだ」というのを学びました。数年後、今度は日本人選手の大量解雇(鈴木悟とか喜多とか原信生とかね)という事件がありましたが、ショックは受けつつも心のどこかで「しょうがないなぁ・・・」と思ってしまう自分もいた。

大好きな選手がチームから切られてしまう。それはすごくつらいことなんだけど、そうすることによって、チームが強く、たくましく生まれ変わることができたら、悲しいけれどチームの判断としては正しかった、と言わざるを得ない。昨年のセレッソは、肝心の結果をまったく残すことができなかったから、あのときの大量解雇までさかのぼって批判を受けるのも当然の話ですが。

中西栄輔を切ったときのジェフはどうなることかと誰もが思ったけど、ふたを開けてみればご覧の通り。ただし、ジェフが強くなるために中西を切ることが絶対に必要だったのか?と聞かれれば、それは神のみぞ知る答なんだけど、今回ジェフがひとつ結果を残したことで、少なくともあの選択は「失敗」ではなかったんだな、ということになる。

結局、どう割り切るか、だよね。選手が好きなのか、チームを愛しているのか。




閑話休題。元柏レイソル洪明甫氏も、引退前も後もけっこう韓国サッカー界に対して厳しいことを言っていた記憶があるんだけど、そんなミョンボさんもいまや韓国代表のコーチに就任。一方のノさんは・・・まだ現役ではありますが、いずれ引退してからも、どう考えても韓国サッカー界の中心にはいけなさそう。

ノさんの場合、Jに来た経緯からしていろいろとアレだったこともあるんだろうけど、何よりも発言が手厳しすぎて、上の人間からすれば煙たくて仕方がないんだろうなぁ、きっと。

けど、ノさんほど熱血で真面目で温かくて優しい人は、そうはいない。時々、いわゆる「嫌韓」な人が「あんな人柄の素晴らしい韓国人は、そうはいない」なんて賞賛するけど、「ふざけんな」と言いたいね。あんな素晴らしい人、日本人にだってめったにいるもんかい。

「いつか指導者研修を受けることになったら、子供の教育のためにも英語圏に行きたい」

英語圏」といわず大阪弁圏にいらっしゃいませんか?(笑)いつでも大歓迎ですよ。なんならすいかを育てるスペースも提供しますよ(笑)