さよならだけど さよならじゃない

今日は「2005年 トップチーム新コーチングスタッフのお知らせ」というニュースもあったんですけど、自分としては、そして多くのセレサポにとっては、こちらの方がビッグニュースだと思います。

題記の件、弊クラブでは田坂 和昭コーチとの契約期間終了後、今期の契約更新を行わないことを決定しましたのでお知らせいたします。

そっかぁ・・・田坂さん、いなくなっちゃうのかぁ・・・。

田坂さんといえば2000年、「優勝請負人」という使命を背負ってセレッソにやってきて、実際彼の加入後すぐにあと一歩のところまできて、だけど手が届かなかった。01年は一転して降格の憂き目に遭うも、その年はほぼ年間を通じて怪我に悩まされ続けたモリシや西谷たちの穴をなんとかして埋めるべく、ユンちゃんとともに奮闘してくれました。02年も、モリシやアキ、ユンちゃんがW杯を目前に控えてチームを離れることが多い中、彼らのいないチームを支えてくれたのは間違いなく田坂さん。しかしその年の途中でスポーツヘルニアを患い、結局チームのJ1復帰を見届けて引退。その後はユースのコーチとして若い世代を育てつつ、自らも指導者としての経験を積んでいました。ミナツモで田坂さんの姿を見かけるたびに「あぁ、元気そうだなぁ」と嬉しくなったものです。

しかし、昨年チームを襲った大激震。「J2に逆戻りということだけは、絶対にあってはならない」というスクランブル体制のもと、シーズン半ばにしてトップチームのコーチに就任。当時のセレッソは精神的にも追い詰められていて、戦術的な指導よりも、むしろ心の支えになってくれる存在が必要だったのだろう。そしてその重責を背負うのに、彼ほどの適任者はいなかった。

田坂さんのトップコーチ就任の情報を聞いたとき、「あぁ、申し訳ないなぁ・・・」と思ったもんです。田坂さん自身と、田坂さんの指導を頼りにしていたユースの選手たちと、両方に。もっとゆっくり、指導者経験を積ませてあげたかった。もっとたくさん、田坂さんと同じ時間を過ごしてほしかった。昨年はユースの成績がかなり目も当てられない状態だったそうですが、これもやはり田坂さんをトップに引き上げてしまったことが原因に思えてならない。

今年は小林体制も本格稼動、しかも西村さんをGMに迎えて、この1年間に失ったものをなんとか取り戻そうという動きが垣間見えています。てっきり田坂さんもユースのコーチに戻って、再び指導者としての修行を積むものだとばかり思っていました。

S級ライセンス取得の為、チームを抜ける事が多くなり迷惑をかけてしまうので、クラブからのオファーをことわることにいたしました。1ヶ月近く悩んだ末の結論です。今シーズン2ndステージからトップチーム加わりましたが、沢山の経験をさせてもらったチーム、クラブに、そして、最後まで応援してくれたサポーターに感謝します。ありがとうございました。

1ヶ月!自らの夢との狭間で、そんなに悩んでくれたんだ。そのぐらい、セレッソというチームを大事に思ってくれたんですねぇ。こんなところにも彼の誠実さがうかがえます。

「さようなら」とは言いませんよ。そう遠くなく、またお会いできるでしょうから。今度はS級ライセンスを携えて、再び「優勝請負人」として、またセレッソに戻ってくるんでしょうからね。その日まで、どうぞお元気で。