日本人的であることの全てが悪いわけじゃない。

スポーツ紙の主要4紙中3紙*1がこの話題を取り上げてました。まずは例によってニッカンから。記事のタイトルがちょっとアレですが(だから問題なのはキャバじゃなくて無断外出なんだって何度言わせる気だ)

「チームのルールを破ったことは悪いし、チームの中で守るということ」と猛省を促す一方で「本人たちとは話もした」と、ジーコ監督の判断とは一線を画すことになった。

続いてスポニチ

その理由について「本人たちにも話しているし、(処分は)チーム内のルールを守らなかったから。チームの中で決めること。刑事的な問題ではないし、普通の人でもあること。チーム内の問題だと思う」と日本代表のチーム内の問題をU―23日本代表には持ち込まない方針を示した。

(中略)

「食事も寝ることもリラックスすることも仕事。チームのルールの中でコンディションをつくることも仕事。そう選手にも話している」と言う山本監督。自分の手で2人を再教育したい意向も背景にはあるようだ。

サンスポあたりはもっと露骨で、

粛清で猛省を促したジーコ監督とは対照的に、金八先生ばりの『信じて育てる』教育術で大久保の“更正”に挑む。UAEラウンドメンバーの落選に際しては「お前の評価が下がったわけではない。日本ラウンドで期待している」と熱い直電を入れた。日本ラウンドでは、警告を受けやすい大久保のプレースタイルを考慮し、「2戦目ならカードをもらっても最終戦にフル出場できる」と初戦起用を我慢。「1枚だけならいいぞ」と送り出した信頼が3ゴールを生み出した。

山本監督の発言自体もそうなのですが、何よりこれらの記事を担当した記者さんがものすごく含み持たせた書き方してますよね(笑)最近は、山本監督の言動にかこつけて暗にA代表を批判する、という手法が流行のようです。もっとも、山本さん自身も、まぁ五輪予選で結果を出した強みがあるのでしょうが、そうされることをわかってて発言してるというか、むしろ「さぁどんどん乗っかってください」と言わんばかりの発言をしている。まさに自由と自律から生まれる暗黙の連携プレー(爆)

個人的に「山本さんずるいなぁ」と思っているのは、常にジーコ監督の真逆を行けば自然と監督としての評価があがるっていうのをわかっててやってるんだろうなってとこで(笑)冷静に考えれば、監督としてはごく普通のことをやっているに過ぎないケースが多々あるのですがね。

今回の五輪予選で、エース格と目されるヨシトをあえてUAEラウンドのメンバーから外したこと、また日本ラウンドで復帰させたことはどちらも大きな反響を呼びました。そのヨシトがレバノン戦とUAE戦で非常に価値ある仕事をしてみせたことで「山本監督の采配が見事的中した」ということになっていますが、私はその辺についてはいまだにかなり懐疑的で(笑)もしUAEラウンドで坂田がそれなりの結果を残していれば、日本ラウンドでもヨシトを招集することはなかったんじゃないかと踏んでいます。そしてそうなっていた場合・・・と想像すると、ちょっとうすら寒いもんがあります(汗)

ただし、そういう場合でも、落とされる側への配慮は忘れない。先ほども抜粋しましたが、

UAEラウンドメンバーの落選に際しては「お前の評価が下がったわけではない。日本ラウンドで期待している」と熱い直電を入れた。

と、ここら辺はさすがにうまいなぁ、という感じがします。こういうところがしばしば「中間管理職」などと揶揄されたゆえんなのかもしれませんが。

ひるがえってA代表について考えると、つくづく不思議に思うことは、2月末に事態が発覚して、3/1の時点ではジーコ監督も確実に耳にしていて、それから先週のシンガポール戦代表合宿のメンバー発表まで実に3週間近くも時間があったわけなんですが、この人一度でも選手本人に連絡取ったんでしょうか。少なくとも取ろうという努力をしたんでしょうか。私には到底そうは見えない。

結局、メンバー発表当日(つまり19日)の朝、当人たちに連絡をしたようなのですが、これもおかしな話だよねぇ。ヨシトと茂庭が五輪予選を控えていることに配慮してってことだけど、ちょっとソース忘れちゃったのですが、遅くとも9日あたりには今回の処分が決まっていたというのだから、むしろヨシトたちにこそ積極的に伝えてやるべきだった。「今回は問題を起こした責任を取って代表から外れてもらうが、山本監督はお前達の力を必要としている。私やA代表のみんなにすまないと思う気持ちがあるのなら、五輪出場を勝ち取ることでお詫びの印としなさい」ぐらいのことを言うてやれば、どんなにか励みになったろうかと思いますよ。

先日の記者会見の席でのジーコ監督の表情とか、コメントとか、「裏切られて悲しい」とか言ってるけど、どうもその言葉からは真実らしきものが伝わって来ないんですよ。日本語じゃないからだろ、といわれるかもしれないけど、少なくともあのフランス人(笑)の場合は、一語一語を発するたびにものすごく「本気」が伝わってきたもんです。それがいいか悪いかはまた別の話ですが。

あの写真見てると、どっちかってーとむしろ「よくも俺の顔に泥を塗りやがったな」ってキャプションでもつけた方がしっくりくるような(苦笑)ちょっと考え過ぎかな。

・・・と思ったら、2ちゃんの海外板でも似たようなことを考えている人がいたことにびっくり(笑)

*1:デイリーはスポーツ紙というより阪神タイガース広報紙(笑)