この道は、いつか来た道

第2節、両サポはもちろん、日本中のJリーグファンがある種の期待を持っているであろう(笑)セレッソ−浦和戦は日曜開催、しかもさいスタってことで「金が無くて行けねーよウワァァァン!」な私はふらりと万博に行ってきました。ガンバのホーム開幕戦、ガンバ−広島戦。私はバリバリのセレサポですが、年に1度は自分とこと関係ない試合を見ておいた方がいいんじゃないかな、とここ数年思うようになっています。あと、広島にはセレッソ関係の選手の中ではモリシの次に大好きな眞中さんがいるし、森崎ツインズの浩司はさすがに無理だろうけど、和幸は見れるだろう、ということもありまして。

スタジアムに到着したのは、試合前のアップ途中だったかな。小雨降ってました。「ガンバのホーム初戦・万博・小雨もよう」と3拍子揃うと、イヤな記憶が頭をもたげますが*1それは無視しておくとして。

両チームのメンバー発表。これまたいろいろと凶悪な妄想をかきたてられる、井川の先発(笑)2トップはチアゴ眞中さん。・・・おい待て、林はともかくなんで浩司が普通にベンチに入ってる?(汗)*2一方のガンバはマグロン1トップの4-5-1。あーいきなり愚痴りそう(苦笑)まぁでも、とりあえず試合見てみないとわからないんで、ここは我慢。

選手入場。ここで衝撃的な瞬間を目撃。お・・・踊ってる!ガンバボーイが踊ってるよ!(爆)

さて、試合開始。J2にもまれて来た広島は、いったいどんなチームになってるんだろうか。

(注)前述の通り、私は眞中さん好きなので、以下しばらくの間は広島寄り(というか眞中さん寄り)のレポになります。

・・・

えーとすいません、なんで眞中さんが2列目でボールさばきやってるんですか?(汗)

眞中さんの持ち味って言ったら、前線での飛び出しと、ヨシトに勝るとも劣らないゴールへの執念、でしょ?反面、DFを背負ってのポストプレーとかはあまり得意ではないし、あとロングフィードに対するトラップはちょっと大きくなりがち。だからこそ中盤ではなく前線で、可能ならば眞中さんが一歩踏み込めば届くあたりのスペースにボールを落とすと、ものすごい勢いでマイボールにしてシュートまで持ち込む。そのための、スペースができやすいところを探す嗅覚も一級品。

広島はもちろん、それをわかってて、去年レンタル移籍のオファーを出したんですよね?監督さん、眞中さんにどういう役割を求めてるんだろう?

一方、チアゴ。どうしても「でかい人=電柱」のイメージになりがちですが、この人は足下もすごくしっかりしている。「ガンバの電柱」ことマグロンと対比するからよけいそう見えるのかもしれないけど(笑)とりあえず足下の技術ではチアゴ>バロン>マグロン、とみた。

ただし、広島の中盤が逆に彼のうまさに頼ってしまう場面が多々見受けられたため、前半はかえって苦戦してしまう。たとえば、何回かに1回は足下ではなく頭を狙い、それをバックスラシでDFとGKの間にボールを落とし、そこに眞中さんが突っ込んでいけば、いくら松代といえども反応が遅れるかもしれないのに。

中盤ということでいえば、DFラインはボランチとFW(というかチアゴ)の間があまりにも間延びしているのが引っかかりました。あぁ、だからそこに眞中さんが下がってさばいてたのか。なんか、広島スレの方ではボランチの16番(イ・ハンジェ)と眞中さんがぼろくそに言われてましたが、16番についてはパスミスが多いということより、むしろその間延びした中盤を埋められなかったことの方が問題のように思います。あ、てことは名古屋戦での久藤ちゃんはけっこうその部分を埋めてたのかも、と、たった今思った(笑)

また、これはJ2にもまれたチームがJ1に上がってくると必ずぶち当たる壁だと思うんですが、パスのスピードが遅い、かつ、パスを受ける側のアクションが遅い。J2ではそのスピードでも通るパスが、J1では通らないんですよ。特にJ1から降格してきたチームと戦う時のJ2チームの多くは、それこそこないだの五輪予選どころの騒ぎじゃないぐらい引いて引いて引きまくるじゃないですか。その場合、たとえパスをカットできそうな位置に選手がいても、奪えなかった時にそこに穴ができて即ピンチになる、というのをおそれて、動かないんですよJ2チームは。私の知る限りだと、すかさず突っ込んでくるのは川崎ぐらいかなぁ、今のJ2では。京都はちょっと別格としても(苦笑)

その感覚に慣れてしまっているチームがJ1に昇格して、J2と同じ感覚とまでは言わないけどJ1とは違う感覚でパスしてしまい、奪われてしまう。もう、まさしく「どこかで見た光景」。逆にJ1初上陸のチームの方が「自分たちはJ2では格上だったけどJ1では格下なんだ」と割り切って、ひたすらセーフティなサッカーに終始してそこそこの勝ち点を上げているように思います*3

あと、もうひとつ気になったのが、ガンバDFが何度かバックパスでGKにボールを返すのですが、それに「本気になって」詰めていく選手が眞中さんしかいなかった。いやまぁ、普通はFWの役目なんだが、前述したとおり眞中さんはしばしば中盤に下がってのボールさばきをしていたから、飛びだして行ける位置にいなかった、ということが何度かあって、そういう時は眞中さんより前にいる選手がちゃんとやってほしいな、と。ああいうのって意外と侮れないよ、あせってミスキックするかもしれないし。ただ、これに関しては私の感覚の方がおかしい可能性も否定できない・・・なんせウチはヨシト、モリシ、徳さんと「隙あらばボールに食らいつく」タイプの選手の宝庫みたいなもんですから(笑)

守備に関しても問題点はやはりJ1とJ2とのギャップにありそう。小村がもはや1試合に1度はやらかすのが仕様となっている中途半端なバックパスをしてヒヤリとさせたものの、それ以外の場面では予想以上によかったように見えるのは、やはり昨年は仙台にいて「J1の感覚」のままプレーできているからだろうな。あとは下田の神セーブ。普通はGKも一時的にJ2仕様になるもんだと思うんだけど、この人だけはJ1仕様をキープしたねぇ。

1失点は、下田にはちょっとかわいそうな展開だけど・・・とりあえずガンバのセットプレーでは、ひとり離れてる時の二川は絶対要注意だってばさ(汗)

後半になって眞中さんout浩司in。これで広島の攻撃がうまく回り出すようになる。これは眞中さんがどうこういうより、本職のトップ下であり、またつい最近まで五輪代表予選でかなりハイレベルな試合をこなしていただけあって、パスのスピードやボールへの寄せ等がチーム内でひとり別次元だったんじゃないかと思う。五輪代表でも、できれば浩司はサイドじゃなく真ん中やってほしいなぁ。平山達也ヨシトの3トップを自在に操る浩司。操るどころか自分が一番攻撃してそうだけど(笑)しかし広島が下田ならガンバは松代。本当に、マジで、悔しいけど、うまい。すみません、私はGKに詳しくないので教えていただきたいのですが、松代の弱点ってどこですか?*4ソガハタよりも絶対うまいと思うのですが。

ところで、前半から感じていたことなのだけど、右サイド井川があまり攻撃面で機能していない。小野監督はたぶん古巣との対戦に燃えるモチベーションを買ってスタメンにしたのだろうけど、この人は攻撃的SHという適性はないんじゃないかな。ウチの斎藤竜と一緒で(苦笑)

逆サイドの服部はその辺さすがというか、攻撃と守備の切り替えの速さは既にJ1レベルに近いものを思わせる。ただ、すごく気になるのが、せっかく左サイドをえぐってPA内にまで侵入したのなら、シュートしようよシュート。別にサイドの選手はシュートしてはいけないなんてルールはないんですから。正直言って、A代表での左SB三都主にはもううんざりしてるんで、とっとと彼からレギュラーの座を奪える選手が出てきてほしいんですよ。それも、4バックの左SBも3バックの左SHもできる選手ならば言うことなし。既に三浦アツがいるけど、もうひとりほしい。いずれにしても、ジーコであるうちはまず無理なんでしょうけどね・・・

どうしても松代の壁が崩せない広島は、後半25分、イ・ハンジェを下げて茂木投入。小野さんなりのバクチだったんだろう。が、この茂木が(るめさんゴメン)全っ然駄目。スピードが武器らしいけど、「おれ何したらいいの?」って感じで、ひたすらうろうろするばかり。たまにボールにからむとガンバDFにあっさり吹っ飛ばされる。思うに、この人はJ1のトップチームでプレーできるフィジカルができてないんじゃないかと。

思うんですけど、ここでこそ、このタイミングでこそ眞中さんが必要だったんじゃないかと。というか、チアゴ眞中カズ浩司の組み合わせはぜひ一度試してみてもらいたい。浩司と眞中って、プレー面での相性よさそうな気がするんですよね。

このあたりからゲームの支配権はガンバに移り、しかしガンバのミドルシュートは枠内に打つな」という教えを忠実に守った攻撃では追加点の匂いもしないまま、ひたすらまったりと時間は過ぎていく。

あーこのままタイムアップか、と荷物を片づけ出したその時、第4の審判がロスタイムを告げる。2分。

ここからがこの試合のハイライトでした。ロスタイムに入ったとたん、さっきまでのまったりムードはいったい何だったんだ!?と思うぐらい、スタジアム内が殺気立つ(爆)ボールを奪われるたびに起こるどよめき、それに引きずられて浮き足立つガンバ守備陣。落ち着いていたのはシジクレイと松代ぐらいか。声を殺して笑い転げる私。ガンバサポのみなさん、あんな異様な雰囲気つくったら駄目ですよ。あれじゃかえって変なトラウマ呼び起こさせますよ。

とはいえ、鍵を握る井川も後半30分に交代してしまった(佐藤一樹in)後では事態は動かせず、結局タイムアップ。ヒーローインタビューがマグロンでしたけど、今日はどう考えても松代でしょう。

しっかし、3月とは思えない寒さでした。関東から北はもっと寒かったようで。

あ、ガンバについても少々。とりあえず、先発のマグロンと大黒・二川との関係を見ていると、いかにUAE戦での平山達也ヨシトの関係がうまくいってたかがよくわかりました。しかも、これほどまでにマグロン頼みの戦術にしておきながら、1点リードの試合でロスタイム直前になってマグロンを外し、それもDFを入れて守備固めならまだしもFWの中山悟志。言うまでもなくマグロンと悟志では全くタイプが違う。そりゃチーム混乱するわ。あぁ、だからスタジアムがあんな雰囲気になるのか(笑)だから西野監督って好かんのだよ・・・とりあえず、どうして吉原がサブで大黒がスタメンなのか、それだけでも私にわかりやすく教えてください(笑)>ガンバサポの方

*1:3/8、去年のナビスコ初戦。ガンバ1−0セレッソ

*2:この衝撃は3時間後、阿部によってうち砕かれるわけですが。ええい、市原のボランチは化け物か!?

*3:だからこそ、今日の速報Jリーグでちらっと見た「攻めまくる新潟」が衝撃的だったわけですが。

*4:例えば櫛野@市原の場合、セーブの技術はおそらく楢崎をも上回るが、フィードが下手。